ビジネスのやり取りでは、すぐに返答できない場面がよくあります。
そんなときに便利なのが「もう少し時間をください」という言葉ですが、使い方を間違えると相手に冷たい印象を与えてしまうことも。
本記事では、社内・社外の両シーンで使える丁寧な言い換え表現や、そのまま使えるビジネスメール例文を多数紹介します。
相手に誠実さと配慮が伝わる「待ってもらう」言葉の使い方を、実例を交えて分かりやすく解説します。
もう少し時間をくださいを使うときの基本マナー
ビジネスの現場では、すぐに回答できない場面が少なくありません。
そんなときに使われるのが「もう少し時間をください」というフレーズですが、使い方を誤ると印象を損ねてしまうこともあります。
ここでは、どんな場面で使うのが適切か、また失礼に感じさせないためのマナーを整理していきましょう。
どんな場面で使うのが適切?
「もう少し時間をください」は、即答が難しい状況で相手に理解を求めるときに使われます。
たとえば、提案内容の検討、上司への確認、社内での調整などが代表的なシーンです。
重要なのは、「なぜ時間が必要なのか」を明確にすることです。
理由を伝えることで、相手に誠実な印象を与え、待つことへの不安を軽減できます。
| シーン | 状況の例 | 伝え方のポイント |
|---|---|---|
| 社内確認が必要 | 上司や他部署の意見を確認したいとき | 「確認後、〇日までにご連絡いたします」と期限を伝える |
| 内容を検討中 | 提案書や見積もりを精査しているとき | 「社内で慎重に確認しております」と補足を入れる |
| 判断に時間が必要 | 複数案の比較や調整を行っているとき | 「社内調整のうえで改めてご連絡差し上げます」と添える |
期限をあいまいにしたまま依頼すると、相手に不安を与えるおそれがあります。
できるだけ「〇日までに」「〇時までに」など、具体的な目安を示すのが理想です。
「もう少し時間をください」が失礼にならない理由と注意点
実は「もう少し時間をください」という表現自体は、丁寧語ではありません。
そのため、相手や立場によっては直接的でフランクすぎる印象になる場合もあります。
ビジネスシーンでは、より柔らかい言い回しにすることで丁寧さを保てます。
たとえば、次のような表現が自然です。
- 「もう少しお時間をいただけますでしょうか」
- 「恐れ入りますが、少々お時間を頂戴できればと存じます」
- 「ご回答までに、少しお時間を頂けますようお願い申し上げます」
これらの言い回しは、相手への配慮が伝わるため、上司や取引先にも使えます。
要点は、「待ってもらう理由」と「感謝」をセットで伝えること。
この一手間が、あなたの信頼を大きく高めてくれます。
次の章では、実際に使える「丁寧な言い換え表現集」を紹介します。
「もう少し時間をください」の丁寧な言い換え表現集
同じ意味を伝えるにも、相手との関係性やシーンに合わせて言葉を選ぶことで、印象は大きく変わります。
この章では、「もう少し時間をください」をより自然で丁寧に言い換える方法を、社外向け・社内向けに分けて紹介します。
社外向け(取引先・顧客)で使える言い換え例
取引先やお客様に対しては、依頼のトーンをできるだけ柔らかく、かつ誠実に伝えることが大切です。
ポイントは「恐縮ですが」「恐れ入りますが」といったクッション言葉を先に置くこと。
| フレーズ | 使い方のニュアンス |
|---|---|
| 恐れ入りますが、少々お時間を頂戴できますでしょうか。 | 非常に丁寧な印象を与え、上司・顧客・取引先に最適。 |
| 恐縮ですが、もう少しお時間をいただけますと幸いです。 | 控えめで誠実な印象。メール全体のトーンを和らげる。 |
| ご回答までに少々お時間を頂けますようお願い申し上げます。 | フォーマルな文面に最適。お客様対応や案内文で使用可。 |
以下は、実際に使えるフルバージョンの例文です。
【社外向けフルメール例】
件名:お見積りの件について — ご回答まで少々お時間を頂戴いたします 株式会社〇〇 △△様 いつもお世話になっております。株式会社□□の××です。 先日ご依頼いただいたお見積りの件につきまして、現在、社内にて内容を確認しております。 誠に恐れ入りますが、最終的なご回答までに少々お時間を頂戴できますでしょうか。 〇月〇日頃までに改めてご連絡申し上げます。 お待たせしてしまい恐縮ですが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。 ――――――――――――――――― 株式会社□□ 営業部 ×× ×× TEL:000-0000-0000 Mail:xxxx@xxxx.co.jp ―――――――――――――――――
社内向け(上司・同僚)で自然な言い換え例
社内で使う場合は、フォーマルさよりもスピード感と明確さが求められます。
ただし、ビジネス文書としての丁寧さは保つ必要があります。
- 「少々確認にお時間を頂けますか」
- 「検討のため、〇日までお時間をいただけますと助かります」
- 「確認後に改めてご報告いたしますので、しばらくお時間を頂けますか」
【社内向けフルメール例】
件名:ご相談事項について — 検討のためお時間をいただけますか 〇〇課の△△です。 先日ご相談いただいた件について、内容を精査しておりますが、もう少し確認に時間を要しております。 恐れ入りますが、〇月〇日までお時間を頂戴できますでしょうか。 ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
避けたほうがよい言葉とその理由
ビジネスの場では、つい口語的な表現を使ってしまうことがありますが、直接的すぎる言葉は注意が必要です。
| 避けるべき表現 | 理由 | おすすめの代替表現 |
|---|---|---|
| もう少し待ってください | 命令形に近く、上から目線に感じられる | 「恐れ入りますが、少々お時間を頂けますでしょうか」 |
| 今は無理です。後で返します。 | 事務的で冷たい印象を与える | 「現在確認中のため、〇日までにご連絡いたします」 |
敬語の丁寧さと配慮のトーンを両立させることが、好印象につながる鍵です。
次の章では、実際のシーン別に「もう少し時間をください」を使ったビジネスメール例文を紹介します。
シーン別「もう少し時間をください」ビジネスメール例文
ここでは、実際のビジネスシーンでそのまま使えるメール文を紹介します。
社内、取引先、お客様対応の3つのケースに分けて、短文例とフルメール例を掲載します。
上司・同僚に対しての社内メール例文
社内での依頼や確認に時間を要する場合は、簡潔かつ丁寧に伝えることが重要です。
ポイントは「理由+期限+感謝」を必ずセットにすること。
| 短文例 | 状況 |
|---|---|
| 確認に少々時間を要しておりますので、〇日までに改めてご報告いたします。 | 資料確認中のとき |
| 社内調整のため、もう少しお時間を頂けますと幸いです。 | 他部署確認が必要なとき |
| 検討の上で回答差し上げますので、〇時までお待ちいただけますでしょうか。 | 即答できない相談事項のとき |
【社内向けフルメール例】
件名:ご相談事項について — 検討のためお時間をいただけますか 〇〇課の△△です。 先日ご相談いただいた件について、内容を確認しておりますが、社内調整に少々時間を要しております。 恐れ入りますが、〇月〇日までお時間を頂戴できますでしょうか。 ご不便をおかけしますが、何卒ご理解のほどお願いいたします。
取引先への回答保留メール例文
取引先へのメールでは、誠実さと信頼感を重視しましょう。
結論をすぐに出せない場合でも、「検討中であること」と「回答予定日」を明記すれば印象を損ねません。
| 短文例 | 補足 |
|---|---|
| 社内で検討を進めておりますため、〇日頃までお時間を頂戴できますでしょうか。 | 見積もり・契約関連の回答保留時 |
| 内容を確認中のため、〇日までに改めてご連絡申し上げます。 | 要件が複数あるとき |
| 恐れ入りますが、慎重に確認しておりますため、少々お時間を頂けますと幸いです。 | 重要な案件の判断時 |
【取引先向けフルメール例】
件名:お見積り内容のご回答について 株式会社〇〇 △△様 いつもお世話になっております。株式会社□□の××です。 ご提示いただいたお見積りの件につきまして、現在、社内で検討を進めております。 大変恐縮ですが、最終的なご回答までにもう少しお時間を頂戴できますでしょうか。 〇月〇日頃までに、こちらから改めてご連絡申し上げます。 ご多忙のところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。 ――――――――――――――――― 株式会社□□ 営業部 ×× ×× TEL:000-0000-0000 Mail:xxxx@xxxx.co.jp ―――――――――――――――――
お客様対応(問い合わせ返答)メール例文
お客様対応では、「確認中であること」を伝えると同時に、進捗を知らせることが信頼につながります。
放置されている印象を与えないことが、満足度を高めるポイントです。
| 短文例 | 状況 |
|---|---|
| お問い合わせの件につきましては、現在関係部署にて確認を進めております。 | 調査・確認中のとき |
| 恐れ入りますが、回答までに少々お時間を頂戴する可能性がございます。 | 即答が難しい問い合わせ |
| 準備が整い次第、速やかにご連絡いたします。 | 進捗を伝えるとき |
【お客様対応フルメール例】
件名:お問い合わせの件 — 回答まで少々お時間を頂戴いたします 〇〇様 このたびはお問い合わせいただき、ありがとうございます。 ご質問の件につきましては、現在関係部署にて確認を進めております。 恐れ入りますが、回答までに少々お時間を頂戴する可能性がございます。 準備が整い次第、改めてご連絡申し上げますので、今しばらくお待ちくださいますようお願いいたします。 ――――――――――――――――― 株式会社□□ カスタマーサポート ×× ×× Mail:support@xxxx.co.jp ―――――――――――――――――
シーンごとにテンプレートを持っておくことで、急な対応でも落ち着いて返信できます。
次の章では、「待ってもらうお願いをより好印象に伝えるコツ」を紹介します。
相手に好印象を与える「待ってもらう」伝え方のコツ
「もう少し時間をください」と伝える際、単に言葉を丁寧にするだけでは不十分です。
相手が「安心して待てる」と感じるような一言を添えることで、信頼や印象は大きく変わります。
この章では、相手に好印象を与える3つの伝え方のポイントを紹介します。
クッション言葉を添えて柔らかく伝える
いきなり「もう少し時間をください」と言うよりも、最初にクッション言葉を入れるだけで印象がぐっと穏やかになります。
クッション言葉とは、依頼や断りを伝える前に、相手への配慮を示すワンクッションの表現です。
| クッション言葉 | 使い方の例 |
|---|---|
| 恐れ入りますが | 恐れ入りますが、少々お時間を頂戴できますでしょうか。 |
| 恐縮ですが | 恐縮ですが、社内確認のためもう少しお時間をいただけますでしょうか。 |
| お手数をおかけしますが | お手数をおかけしますが、確認のうえ改めてご連絡いたします。 |
「申し訳なさ」と「誠意」を伝える一言を添えることで、印象が柔らかくなります。
期限と理由を明確にして誠実さを示す
相手が安心して待てるようにするためには、どのくらいの時間が必要なのか、そしてなぜ時間がかかるのかを明確にすることが大切です。
理由が不明確だと「後回しにされている」と感じられる可能性があります。
- 「社内での確認を要するため、〇日までお時間を頂戴できますでしょうか。」
- 「内容を慎重に確認しておりますため、明日正午までお待ちいただけますと幸いです。」
- 「関係部署との調整が必要なため、〇日頃に改めてご連絡差し上げます。」
理由を添えることで、相手は「きちんと対応してくれている」と感じやすくなります。
感謝とフォローで信頼を積み重ねる
待ってもらうお願いをしたあとは、必ず感謝の気持ちを伝えましょう。
さらに、結果が出たらできるだけ早く報告・連絡することが大切です。
| フレーズ例 | 使い方 |
|---|---|
| お待ちいただきありがとうございます。 | 回答後の冒頭で感謝を示す。 |
| ご理解いただき感謝申し上げます。 | 少し時間を取った際の締めくくりに使用。 |
| ご対応までお待ちいただき、誠にありがとうございました。 | 完了報告メールの最後に入れると丁寧な印象に。 |
また、連絡を入れる際には次のようにまとめると自然です。
- 「先日お時間をいただいていた件につきまして、確認が完了しましたのでご報告いたします。」
- 「お待ちいただき、誠にありがとうございました。ご依頼の件について下記の通りご回答いたします。」
フォローまで丁寧に行うことで、ビジネス関係における信頼が一段と高まります。
次の章では、ここまでの内容をまとめて振り返ります。
まとめ|「もう少し時間をください」は誠実さで印象を変える
「もう少し時間をください」という言葉は、ビジネスの中で非常によく使われる表現です。
しかし、ただこの一言を送るだけでは、そっけない印象を与えてしまうこともあります。
大切なのは、待ってもらう理由を伝え、感謝を添えて誠実に対応することです。
この記事で紹介したポイントを振り返りましょう。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ① クッション言葉を添える | 「恐れ入りますが」「恐縮ですが」などで依頼の印象を柔らかくする。 |
| ② 期限と理由を伝える | 「〇日までに」「社内確認のため」と具体的に説明し誠実さを示す。 |
| ③ 感謝を添える | 「お待ちいただきありがとうございます」で相手への配慮を忘れない。 |
| ④ フォローを怠らない | 依頼後は速やかに連絡し、信頼を積み重ねる。 |
実際のメール文では、以下のように構成を意識するのがおすすめです。
- 件名:わかりやすく要点をまとめる(例:「確認のためお時間をいただけますか」)
- 本文:経緯 → 理由 → 期限 → 感謝 の順で構成する
- 結び:相手への配慮を示す一言で締める(例:「何卒よろしくお願いいたします」)
短い言葉でも、伝え方ひとつで信頼を築くことができます。
忙しい中でも、誠実な対応を心がけることで「この人なら安心して任せられる」と感じてもらえるでしょう。
「もう少し時間をください」を上手に使いこなすことは、信頼を得るコミュニケーション力そのものです。

